減量と自然妊娠率
Sahlgrenska大学病院(スウェーデン・ヨーテボリ市)の研究チームは、「Human Reproduction」にて、減量により、肥満女性の自然妊娠率が僅かに高まると発表した。
減量と妊娠率における臨床試験
研究チームは、2010年から 2016年にかけて、北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、アイスランド)の医療機関9ヶ所にて、BMI値30以上35以下、38歳以下の女性317人を対象に比較調査を実施した。
体外受精前に減量を行うグループ160人、減量せずに体外受精を行うグループ157人に分け、妊娠率や出生率を調べた。減量ありのグループは、12週間にわたる低エネルギー食療法(1日880カロリー)と減量、その後2、3週間の体重維持期間を経て体外受精を実施した。
臨床試験において自然妊娠率の増加
減量をした場合、体外受精における出生率は、減量ありが29.6%(45人)、減量なしでは27.5%(42人)であった。一方、減量した場合、自然妊娠率は10.5%(16人)となり、減量しなかった場合の2.6%(4人)と比べ、著しく増加した。
体外受精を行う前に減量することにより、自然妊娠率の増加が認められた。一方、体外受精成功率は改善しなかったと報告されている。
今回の臨床試験において被験者は年齢とBMI値より限定的であるが、研究チームは、一定のBMI値を超えた女性に対して低エネルギー食療法による減量は妊娠率の増加に効果があると考えている。
(画像はPixabayより)

Human Reproduction
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