卵巣刺激ホルモン製剤の効果
ドイツとオランダの研究者らは、「Human Reproduction」にて、遺伝子組換えヒト卵巣刺激ホルモン(FSH)製剤「フォリトロピン・イプシロン」(チャイニーズハムスター卵巣細胞に由来)の投与による薬物動態と薬力学について発表した。
薬物動態では、生体が薬物を摂取・投与した後、体内にて生じる変化・作用を吸収・分布・代謝・排出より分析する。薬力学は、生体と薬物の相互作用を定性的、定量的に考察する。
卵巣刺激ホルモン製剤を用いた臨床試験
研究チームは、閉経した女性を対象に、卵巣刺激ホルモン製剤「フォリトロピン・イプシロン」の投与量を変えて、女性の尿内に含まれる卵巣刺激ホルモン量を測定した。
単回投与、多回投与において、最高血中濃度や濃度時間曲線下面積は、卵巣刺激ホルモン製剤の投与量に伴い、増加した。
投与量による効果
卵巣刺激ホルモン製剤「フォリトロピン・イプシロン」を2日に1回150IUの投与は、排卵誘発剤注射「ゴナールF」を1日1回150IUの接種と比べ、卵胞の成長速度が速められた。
臨床試験を通して、卵巣刺激ホルモン製剤「フォリトロピン・イプシロン」は、卵胞成長を促し、インヒビンB量を加減する効果が認められた。
インヒビンBは、卵巣刺激ホルモンを抑制する作用がある。卵胞成長に伴って分泌量が増加し、排卵後は急激に減少する。インヒビンB量の減少により、卵巣機能は低下するといわれる。
(画像はPixabayより)

Human Reproduction
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