特定遺伝子の保有者とタバコの煙
ルイビル大学(アメリカ・ケンタッキー州)は、NAT2遺伝子が低代謝型の女性は、喫煙や間接喫煙により生殖機能に影響を受けやすいと発表した。
NAT2遺伝子には、タバコの煙など有害物質を分解する働きがある。NAT2遺伝子が低代謝型の場合、代謝スピードが遅く、タバコの煙に含まれる有害物質が時間を掛けて分解・排出される。
カイラ・テイラー博士は、分解・排出時間が長い為、タバコの有害物質が身体に与える影響力が高まると考えている。
NAT2遺伝子が低代謝型の女性に関する研究
タバコの煙とNAT2遺伝子が低代謝型の女性における生殖機能に関する研究は、前例がないという。
テイラー博士が率いる研究チームは、 卵巣予備能力や体外受精の成功率とタバコの煙における関係性に焦点を当てた。
NAT2遺伝子が低代謝型の女性より子宮のサンプルを採取し、タバコの煙にさらした。合わせて、ホルモンレベル、超音波検査、体外受精の成功率より、卵巣予備能力を評価した。
テイラー博士は、卵巣予備能力や体外受精は、喫煙歴、間接喫煙の有無に左右されると述べている。
今後への期待
現時点では、タバコの煙とNAT2遺伝子が低代謝型の女性における生殖機能にて、因果関係は立証されていない。
NAT2遺伝子とタバコの相互作用が判明した際には、 タバコが身体に与える危険性を綿密に解析する為の道が開けると期待される。また、低代謝型のNAT2遺伝子は、体外受精の成功・失敗を示す指標となるといわれる。
(画像はイメージです)

University of Louisville
http://louisville.edu/sphis/news/EurekAlert!
http://www.eurekalert.org/pub_releases/