新たな治療法「未熟卵子体外培養(IVM)」について
これまでのところ、不妊治療において最も妊娠につながる治療法は体外受精であると考えられている。一方、最近では、未熟卵子体外培養(IVM)によっても妊娠の可能性は高められるとの見方もある。
未熟卵子体外培養とは、卵胞の成長過程にて卵子を採取し、体外にて培養する方法である。卵子の成熟後は、顕微授精(精子を卵子に直接注入する)にて受精を促す。
合わせて、未熟卵子体外培養では、体外受精と比べて、注射により排卵誘発剤を投与する期間が短い(体外受精:平均8~11日間、未熟卵子体外培養:3~6日間)。
未熟卵子体外培養が適した人とは?
未熟卵子体外培養は、ホルモン注射接種から卵子の採取までが短期間で済む為、化学療法・放射線治療など不妊治療を受ける時間が限られている場合に好都合な治療法であると言われた。
また、専門家によると、未熟卵子体外培養は、ホルモン注射に否定的な女性、体外受精にて妊娠に至らなかった女性に適しているという。
合わせて、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の女性は、体外受精より未熟卵子体外培養のほうが向いていると考えられる。
体外受精が最も効果的?
多くの専門家らは体外受精を効果的な治療法と結論付けるが、「Facts, Views and Vision」に掲載された調査報告書にて、未熟卵子体外培養による妊娠率は、体外受精より35%以上高くなったと報告されている。
一方、米国生殖医学学会(ASRM)は、体外受精と比べ、未熟卵子体外培養の成功率は低くなると言及している。今後、未熟卵子体外培養が広く普及しても、最も妊娠率が高い不妊治療は体外受精であると言える。
(画像はイメージです)

FOX NEWS Health
http://www.foxnews.com/health/WOMEN IN THE WORLD
http://nytlive.nytimes.com/womenintheworld/ASRM
https://www.asrm.org/