世界初の精子形成技術
細胞培養技術を開発する企業「kallistem」(仏)は、世界で初めて、体外にて精子形成を実現可能にしたと発表した。
「kallistem」CEOのイザベル・クオック氏(Isabelle Cuoc)は、吸入ステロイド(ICS)を使い、世界で初めて体外にて完全な精子を形成することに成功したと述べている。この技術により形成された精子は体外受精にて適用可能であり、体外受精の成功率も高めたという。
リヨン大学病院のエルヴェ・ルジュヌ教授(Hervé Lejeune)は、体外にてヒトの精子細胞から成熟した精子の形成に成功したことは、生物学上、大きな達成であると評価している。
精子形成
精子形成は非常に複雑な生理学的なプロセスであり、体内では72日間かけて行われる。
「kallistem」によると、独自に開発した細胞培養技術「Bio-AlteR」により、体外での精子形成を可能にするという。上下2つに分かれた容器内にて、精子細胞を培養する。
kallistemと今後の展開
「kallistem」は、2014年末に、未熟な生殖細胞や精子のみが存在する精巣生体組織を用いて体外での精子形成に成功したと報告している。
2015年中には共同研究パートナーを見つけ、アメリカの不妊治療において精子形成技術を展開すると発表している。また、前臨床試験を2016年末まで行い、2017年からは本格的な臨床試験が開始予定であるという。
今後5年の事業計画では、ライセンスのもと精子形成技術を市場で展開し、不妊治療を行う公共および私用医療機関に対して技術を提供する見通しであると公表している。
(画像はkallistem HPより)

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