新たな技術「BlastGen」
アデレード大学(オーストラリア)は、新たな体外受精技術として「BlastGen」「EmbryoGen」を開発した。「BlastGen」「EmbryoGen」は成長因子「GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)」を含有する培養液である。
体外受精と合わせて「BlastGen」を使用すると、より子宮内環境と似た状況下にて胚を培養することが可能となる。
人工授精後から3日目まで「EmbryoGen」にて胚を培養し、その後、2日間は「BlastGen」にて培養するという。
臨床試験の結果
「BlastGen」を使用した臨床試験を実施したところ、カップル約20組のうち43%が妊娠に至ったと報告されている。妊娠検査では、女性16人中7人に妊娠が確認できたという。また、数組のカップルは「BlastGen」により胚の質が劇的に向上したという。
被験者は胚の生育状態が悪く、何度も流産を繰り返し、これまで体外受精を行うものの妊娠に至らなかった。
臨床試験の責任者ルイーズ・ハル(Louise Hull)教授は「BlastGen」は胚の質を改善し、体外受精における妊娠率を高めると述べている。
世界40カ国以上にて普及
現在、デンマークの生殖医療技術メーカー「オリジオ社(Origio)」が「BlastGen」「EmbryoGen」の販売を担っている。40カ国以上、数百カ所以上の不妊治療を専門とするクリニックにて使用されている。
ハル教授によると、「BlastGen」を初めて使用したのは、オーストラリアと日本であるという。
オーストラリアや日本の研究者らは、「BlastGen」を新たな革命的な体外受精技術として期待している。不妊治療中の女性、特に流産を繰り返す女性に希望を与え、体外受精による妊娠可能性を高めると考えている。
(画像はOrigio Japan HPより)

ABC
http://mobile.abc.net.au/news/2015-06-15/SBS
http://www.sbs.com.au/news/article/2015/06/14/Origio
http://www.origio-japan.com/embryogen.html