世界初となる流産の処理選択に関する研究
ウォーリック大学(イングランド)、ロンドン大学クイーン・メアリーの研究チームは、「Human Reproduction Update」にて、あらゆる流産の処置法を比較したうえで、ほぼ同じ効果が得られると包括的に証明し、流産を経験した女性に対して処置の選択肢を提供する必要があると発表した。
自然排出を促す処置は、副作用が最小であると考えられる傾向にある。しかしながら、自然に子宮内容物が排出されるのを待つため、排出タイミングの予測は難しく、長期間待つ、長期間待ったものの排出されない、回復に時間を要するなど潜在的リスクがある。
今回の研究では、自然排出の約70%が完全に子宮内容物を排出でき、問題なく終わると報告された。
流産の処置に伴う潜在的リスクは、医療関係者と患者におけるコミュニケーション不足が要因であるという。
あらゆる処置の効果は同じ
研究チームは、女性9000人以上を対象にした研究試験46件を用いて、妊娠14週目以前の自然流産(妊娠損失)を経験した女性に対する処置の選択肢について検証した。
流産した場合、身体は妊娠が終わった状態からの自然回復を試みるが、回復過程において出血を伴う痛みを強く感じる。自然排出による処置では、子宮内容物が完全に自然排出され、身体が自然回復できるのは全体の7割程度であるが、一方、手術、服薬治療の効果も同じであることが認められた。
しかしながら、母体が最短で回復できる処置は、手動真空吸引法(MVA)であるという。
研究チームは、医療関係者に対して、患者が副作用を考慮したうえで十分な情報に基づいた判断を下せるように、流産において処置の選択肢を与えることを推奨する。
(画像はWARWICK HPより)

WARWICK
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