妊娠期のフタル酸エステル曝露による影響
コロンビア大学公衆衛生大学院の研究チームは、「Environmental Research」にて、子供の運動能力における問題は、妊娠期の母親がフタル酸エステルに曝露したことに起因すると発表した。
フタル酸エステルは、保湿クリームやリップスティックなどパーソナルケア製品、プラスチック容器、玩具など幅広く使用されている。
フタル酸エステル曝露と子供の運動能力における関係性
研究チームは、妊娠後期の女性を対象に尿中のフタル酸エステル量と代謝物質量を測定した。同様に、誕生した子供209人(ニューヨーク在住)が3、5、7歳になった時点で尿検査を実施した。また、11歳では、運動熟練度テスト「Bruininks-Oseretsky Test」を行い、運動能力・問題についてスクリーニングした。
同大学のパム・ファクターリトバック(Pam Factor-Litvak)教授は、今回の調査より、3分の1は運動能力が平均以下であり、日常活動への参加に困難さが生じ、特に運動において大きな問題を抱えていると説明する。
妊娠後期に母親がフタル酸エステルに晒された場合、子供の運動能力に対して長期に亘って悪影響を及ぼすことが認められた。特に、女児への影響は大きくなった。一方、子供がフタル酸エステルに曝された場合、男児は、女児に比べて、運動能力に受ける影響が増した。
また、運動能力が低い子供は、自己評価や自尊心が低く、不安や憂鬱な感情が増幅するという。
研究チームは、フタル酸エステル曝露により子供の運動能力が低くなると結論付け、安全でない可能性がある製品の使用を控えるように呼び掛ける。
(画像はプレスリリースより)

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