妊娠期における超音波検査の有益性
第178回米国音響学会「178th Meeting of the Acoustical Society of America 」(米国サンディエゴ)にて、早産が超音波検査にて早期に診断できると発表された。
特に、2種類の超音波技術によるデータを比較し、子宮頸部の変化を評価したところ、 超音波技術は子宮頸管(子宮入り口の長さ)の長さおよび組織の強度を見積もり、長さの短縮、胎児を子宮内に保持する力を推定し、早産リスクをより正確に算出できた。
超音波検査の活用と切迫早産の早期発見
女性の子宮頸部は硬い円筒構造であり、子宮から膣につながる部分(約25mm、幅20〜25mm)を保護する。子宮頸部の内部は線維性間質で覆われ、側面には粘液を分泌する円柱上皮細胞の層がある。間質は主にコラーゲンで形成され、それゆえ、子宮頸部は、しっかりした感触となる。
また、コラーゲンは、子宮側ならびに膣側の入り口とコミュニケーションをとり、子宮頸長が分娩タイミングより早く短くなることを防いでいる。
今回、研究チームは、超音波画像から得られる子宮頸部の減衰係数(子宮頸管の長さ・力)に着目した。子宮頸部の減衰係数によって、妊娠期および分娩の前段階において、あらゆる子宮頸部の変化を評価できる。
今後、超音波検査を改修し、切迫早産の代表的な症状である痛み、子宮収縮、子宮頸管の拡張が生じる前に切迫早産を診断できる、切迫早産の早期警告システムへの誕生が期待される。
(画像はThe Journal of the Acoustical Society of Americaより)

NEWS MEDICAL
https://www.news-medical.net/The Journal of the Acoustical Society of America
https://asa.scitation.org/doi/abs/10.1121/1.5136939