妊娠期の喫煙による影響
ヘブライ大学(イスラエル)のヤエル・バル・ゼエヴ(Yael Bar-Zeev)博士が率いる研究チームは、「Obstetrics & Gynecology」にて、妊娠期の喫煙により、妊娠糖尿病の発症リスクが増加すると発表した。
妊娠期の喫煙は、妊娠結果に対する重大な危険因子であり、母子の健康を危険にさらす。妊娠期の母親が喫煙していた場合、喫煙しなかった母親と比べ、早産、低出産体重児、胎児発育不全などのリスクが高まるといわれる。
喫煙と妊娠糖尿病における関係性
研究チームは、アメリカ疾病管理予防センターが実施する「Pregnancy Risk Assessment Monitoring System(PRAMS)」を用いて、2009年から2015年に掛けて出産した女性22408人を対象に、喫煙と妊娠糖尿病における関係性を検証した。なお、被験者のうち5.3%(12897人)は、妊娠糖尿病と診断されていた。
データ分析結果より、妊娠中も喫煙していた女性は、妊娠糖尿病リスクが高まることが認められた。妊娠期における1日あたりの喫煙量が、妊娠前と同量のタバコ本数あるいは上回る本数である場合、妊娠糖尿病を発症する確率は約50%であった。
また、妊娠期も喫煙していたものの、妊娠前より喫煙量(1日あたりのタバコ本数)を減らした女性では、妊娠2年前に禁煙した女性と比べ、妊娠糖尿病リスクは22%増となった。
妊娠糖尿病は、巨大児、帝王切開など妊娠合併症および陣痛・分娩の合併症リスクを高める。研究チームは、妊娠期の喫煙と妊娠糖尿病の関係性を結論付け、タバコが妊娠結果に与える悪影響を考慮したうえで、少なくとも妊活を始めるタイミングでは禁煙している必要があると強調する。
(画像はPixabayより)

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