“不妊大国”日本
そのハイレベルな治療技術などから、“不妊大国”とも呼ばれる我が国日本。
2010年の国立社会保障・人口問題研究所の調べによると、実際に検査や治療を受けている夫婦は6組に1組。10組に1組だった1990年代に比べ、約1.7倍にも上る。
そして、体外受精の実施数は年間で24万2000件。世界中で最も多い数字だ。また、不妊治療の専門クリニックは全国で約600。これも、世界最多だ。
日本の体外受精、成功率は?
世界最多の体外受精実施数を誇る日本であるが、実はその成功率は低い。
採卵1回あたりの出産の割合は、アメリカが38%、世界平均が26%であるのに対し、日本は18%なのだという。
これには大きな原因がある。それは、治療を始める年齢だ。
あるクリニックでは、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を行う人に限れば、平均年齢は確実に40歳を超えるのだという。
年齢と共に妊娠しづらくなることは知っていても、30代ならまだまだ治療の必要はないとたかをくくり、40代に入ってから慌てて病院に駆け込む夫婦が多いのだ。
また、多少年齢を重ねても、治療をすればすぐに妊娠できると勘違いしている夫婦も多い。
早い時期に治療を始めれば、それだけ成功する確率は上がる。若い世代の意識を改めていくことが必要なのかも知れない。

国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/