男性不妊と精子提供
今や、不妊は国家的問題となりつつある。女性の社会進出や晩婚化がその要因と言われてきたが、実は不妊原因の約半数は男性にある。
そして、男性不妊を抱える夫婦にとって大きな希望となっているのが「精子提供」だ。これは、第三者から精子提供を受け、妻の卵子と受精させ出産するという方法で、非配偶者間人工授精(AID)と言われている。
告知、する?しない?
「生まれた子どもに精子提供を受けて妊娠、出産したことを伝えるかどうか」は、非常にデリケートな問題である。2010年8月から2011年12月に調査を行った際は、「告知しない」と考えている夫婦が52%を占めた。
しかし2013年2月15日、慶応大病院で受診した夫婦112組を対象に厚生労働省研究班が実施した調査の結果、15%が「生まれてくる子に精子提供の事実を伝える」と答えたと言う。
これまで、AIDで生まれた子どもは1万人を超えるとも言われ、一般化している。そのことが、治療を受ける夫婦の意識を変えたのではないだろうか。
不妊治療は日夜進み、治療によって生まれる赤ちゃんも日々増えている。「不妊治療で子どもを産む」ことがもっと当たり前のことになれば、治療に対する抵抗もなくなって、子どもを授かることが出来る夫婦も増えるかも知れない。

厚生労働省
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