日本の不妊事情
2007年からの4年間で、不妊症の治療件数は約1.5倍になっている。また、治療を受ける女性の内、40歳以上の割合が、31.2%から35.7%に上昇しており、治療成績は大して改善されていない。
このような現状を打破するため、国立成育医療センターの不妊診療科、斎藤英和氏は、2013年1月30日、都内で開かれたセミナーにおいて、治療をすることなく自然に妊娠できるよう、若い内からの啓蒙が大切であり、大学などの教育機関での情報発信が必要であると訴えた。
不妊治療は万能ではない
自ら不妊治療に携わっている斎藤氏であるが、「不妊治療は万能ではない」と言い切る。治療さえ受ければすぐに子どもができると考えている人にとって、この言葉は衝撃だろう。
妊娠する能力は、思っている以上に早い段階で落ちていく。女性の社会進出が当然のものとなり、晩婚化、晩産化は免れない。2011年、第一子出生時の母親の平均年齢が30歳を超えた。これは、OECD加盟国の中でもトップクラスに遅いという。
欲しいと思った時にはもう授かれない、という女性も多い。キャリアアップ、結婚、出産。どれを優先するかはもちろん個人の自由だ。しかし、年齢が上がることによるリスクをしっかりと理解した上で、ライフプランを立てて欲しい。

国立成育医療研究センター
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