久々の発見、男性不妊の先天的な要素
男性不妊について、これまでと違う切り口での原因解明のヒントが見つかり、専門家の注目を集めています。
このところ、男性不妊についての多くの研究が、環境や生活習慣がどのように精子の産生や質に影響するか、という後天的な要素についての視点で奨められてきました。一方で、先天的な要素については、あまりめざましい発見が得られていませんでした。ところが、12月3日付の専門誌Asian Journal of Andrologyには、久々に男性不妊の先天的な要素に関する報告が発表されたのです。
男兄弟が多い男性の精子は素早く泳ぐ!
これはイギリスのシェフィールド大学と、アメリカのブラウン大学とが、が共同で行った調査。男兄弟が多い男性では、パートナーが妊娠にいたる可能性が高いということが分かったのです。
調査では、男性500人の精子の泳ぐスピードと、兄弟姉妹の構成について、関連の有無を分析しました。調査チームが驚いたことは、男兄弟が多い男性の精子は、それ以外の人の精子よりも早く泳ぐことが分かったのです。
研究に携わった専門家たちは、この法則が、他の人種や年齢層などにもあてはまるかを幅広く調査して、科学的な信頼度を高めたいとしています。

The University of Sheffield
http://www.sheffield.ac.uk/news/nr/fertility-sperm-brothers-siblings-1.232500Asian Journal of Andrology ; Sperm speed is associated with sex bias of siblings in a human population
http://www.nature.com/aja/journal/vaop/ncurrent/full/aja2012109a.html