ビタミンCは赤ちゃんの脳の発達に影響
デンマークの科学者たちが、モルモットを使って行った実験で、妊娠中にビタミンCの摂取が不足すると、生まれてきた赤ちゃんモルモットの脳の「海馬」という部分の発達が不十分になることが報告されました。
(イメージです)
海馬は、脳の中で記憶に関わる部分です。海馬の神経細胞は、長期記憶や短期記憶などの整理を行ったり、使われないままの情報を忘れさせたりという柔軟性に富んだ働きが特徴的です。細胞分裂から新しい神経細胞を作り出したり神経の触手ともいえるシナプスを伸ばしたりということが可能で、状況に応じた変化が得意な脳の部分とも言えます。
妊娠中の不足による影響は出生後に取り戻せない
ところが、母親の妊娠中のビタミンC欠乏によって、引き起こされた発達不足に関しては、出産後の赤ちゃんモルモットに多量のビタミンCを与えても、改善されることはありませんでした。柔軟性のある海馬でも、こればかりは限界のようです。
現在、この成果はヒトで確認されているわけではありませんが、同様の状況がヒトでも見られる可能性が高いとされています。ビタミンCはサプリなども多いため、摂取も比較的簡単にできますし、取り過ぎた分は尿中に排泄されてしまうので、副作用もありませんので、妊婦さんはビタミンCの摂取を心がけておくと良いのではないでしょうか。

PLOS ONE ; Maternal Vitamin C Deficiency(以下略)
http://www.plosone.org/article/Good Brain ; 記憶にかかわる海馬と扁桃体
http://goodbrains.net/brain/kioku.html