思いのほか、見過ごしがちな排卵痛
排卵痛は、排卵の前後に起こる腹痛や腰痛で、すべての女性が経験するわけではありません。排卵チェッカーや基礎体温計を使っている人は、痛みと周期の関連が把握しやすいものですが、これに気づかずに過ごしている人もいるでしょう。
痛みの程度や期間も様々で、何となく違和感がある程度から、痛み止めを飲まないと耐えられないという人までいます。原因は、卵巣から出される女性ホルモンの影響や、卵巣そのものの腫れなどが考えられています。
また、排卵時には、卵子が卵巣の壁を破って飛び出し、その部分の組織が傷つくことも痛みの原因の一つと考えております。この過程では、卵巣からの出血がある場合があり、これが卵管を通じて出血や色のついたおりものとして確認されることもあります。
鎮痛剤の中には、排卵の仕組みに影響するものも
さて、排卵痛で痛み止めを必要とするときには、気をつけたいことがあります。排卵には、プロスタグランディンという物質が卵巣を収縮させ、卵胞から卵子を押し出すのに一役買っています。
ところが、このプロスタグランディンは、痛みの原因となるともいわれており、ある種の痛み止めには、このプロスタグランディンを抑えてしまう働きがあるのです。このため、妊活中の女性は、排卵痛に関して、プロスタグランディンを抑える作用のある鎮痛剤は避けた方が良いといわれることもあります。
排卵痛がひどいケースでは、排卵時の出血が止まらなくなる排卵出血の他、卵巣に何らかの異常が見られる場合もあります。痛み止めを必要とするような排卵痛がある場合、自己判断で薬を飲まず、産婦人科を受診することをおすすめします。

PubMed ; Role of prostaglandin F2alpha in ovulation
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1201737Rheumatology ; Non‐steroidal anti‐inflammatory drugs as a possible cause for reversible infertility
http://rheumatology.oxfordjournals.org/content/39/8/880.short