アメリカでは、肥満の妊婦さんへの指導がまだ不十分と報告
ペンシルバニア州立大学の医学部で行われた小規模な研究で、肥満の妊婦さんに対する体重管理指導が、まだまだ不十分という結果が出ました。
妊娠中に体重が増えすぎると、妊娠中毒症など妊娠中のリスクが増えるだけではなく、産後の肥満にもつながります。
通常、妊婦さんの体重増加の基準は、BMIをもとに計算されています。通常の体型の人なら11~15キロ、太り気味なら7キロから11キロ、肥満の人は9キロ以内にとどめることが目安になります。出産時には、赤ちゃん、胎盤、羊水で6~7キロが物理的に減るので、9キロ以内に体重増加を留めることができた肥満体型の妊婦さんは、産後は3キロダイエットで元の体重に戻ることになります。
体重、運動ともに、分かりやすい数字を出しての指導はほとんどなし
調査では、太り気味の12人、肥満の12人、合計24人が第一子を出産した後に、妊娠中の体重管理について質問しました。このうち、体重が増えすぎた12人は、検診時などに医師などを通じて、標準体重の妊婦さんの体重増加の目安を指導されていました。また4割の人は、実際の体重の数値に対して、医療者側からなんの指摘もなかったりしていたことが分かりました。
漠然とでも体重が増えすぎることを注意された人は1人だけ、そして、適切な指導を受けたのはたった2人だったのです。
体重管理のための運動について指導を受けたのは10人でしたが、運動の継続時間を具体的にアドバイスされた人はいませんでした。妊娠前の運動量を超さないようにというアドバイスを受けた人もおり、もともと運動習慣がなかったこの妊婦さんは、結局妊娠中全く運動をせずに過ごしたそうです。
医療者は分かりやすい数字を提示して、実行しやすい方法の指導を
研究チームは、妊婦さんが一番信用するのは、医師や看護師、助産師、保健師などの医療提供者。こうした人たちが、正しい指導を行えないと、できるはずの体重管理もできなくなってしまうため、専門家もきちんと理解し、妊娠が分かったときから体重管理の重要性を教育して、妊娠期間を通じてきちんとモニターすべきだとしています。
日本の妊婦さんたちは、体重管理に関する情報も多く持っていますが、専門家からきちんと指導をうけ、特に体重の上限や、運動をする長さなど、数字で説明を受けると、達成したかどうかが理解しやすくなるでしょう。

Overweight pregnant women not getting proper weight-gain advice
http://live.psu.edu/story/63130