出生前診断とは
採血だけで胎児の染色体異常が分かる新型出生前診断の実施が、年内から来年3月以降にずれ込みそうだ。元々倫理的な問題との兼ね合いが叫ばれていたこの診断、12月15日に、日本産科婦人科学会(日産婦)によって、実施指針の最終案が公表された。
その内容としては、実施する施設は産婦人科か小児科の遺伝専門医の常勤や遺伝専門外来の設置を義務づけ、登録認定制度を設けるというもの。
更に、検査を受ける対象は、妊婦が35歳以上であること、過去に染色体異常の胎児を妊娠したことがあること、他の検査で胎児の染色体異常の可能性を指摘されたこと、カップルのいずれかに染色体異常がある、以上のどれかに当てはまることが条件とされた。
倫理的問題との兼ね合い
これまで、流産の確率が上がるなどのリスクがあり手を出せなかった人たちにとっては、採血だけで出来、リスクのほとんどないこの新たな出生前診断は非常に素晴らしいものだ。しかし、出生前診断にはまだまだ議論の余地がある。
それはやはり、産む前から染色体に異常があると分かることで、堕胎の数が増えてしまうのではという懸念が大きい。
そのため必要なことは、母親となる妊婦自身が検査結果の解釈について十分な認識を持つことだ。
今回出された最終案は、学会のホームページで1カ月間公表し、一般からの意見を募る。また、小児科学会やダウン症協会などの意見も取り入れ、最終案確定後に実施施設の認定を行う。

毎日新聞
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