体外受精ベビーの数
このほど、体外受精で誕生した子どもは世界で500万人を超えた。いまや新生児の0.3%は体外受精ベビーだという。体外受精という妊娠方法が、それだけ一般的になってきたということだろう。
そんな中、様々な問題も発生している。2010年には、トムソン・メディカルでは精子を取り違える事件も起きている。
こういったことから、シンガポールでは、体外受精で生まれた子どもの地位に関する法律を制定す方針で、その素案が公表された。それに対して12月20日まで一般市民から意見を募集するという。
法案の中身は?
その法案の中で、母親に関しては、体外受精技術を利用し出産した女性が、生まれた子どもの母親とされ、卵子提供者を含むほかの誰も母親を主張することはできないことが挙げられている。お腹を痛めて生んだ女性の子どもと見なされるのは至極全うといえるだろう。
しかし、複雑なのが父親である。法案の中では、体外受精の際、夫の精子が利用されなかった場合でも、体外受精に同意しなかったと夫が証明できなければ、夫は子どもの父親とみなされること、夫が体外受精に同意していなくても、生まれた子どもを婚姻関係の子どもとみなせば、法律上の父親とされることなどが挙げられている。
一般に、自分のお腹の中で10ヶ月の間子どもを育てる女性と比べ、男性は親である実感が湧きにくいといわれている。体外受精になると、もしかしたら自然妊娠以上に父性が湧きにくいのかも知れない。
実際に体外受精で生まれてくる子どもたちのためにも、法案の制定を急いでほしいと願う。

アジアエックス
http://www.asiax.biz/news/2012/11/20-121717.php