活性酵素量のカットオフ値に関する臨床試験
生殖生物学・内分泌学研究所(RB&E)のアショーカ・アガーワル(Ashok Agarwa)らは、精しょう内の活性酵素量より男性の不妊診断は可能であるという仮説のもと、臨床試験を実施した。
臨床試験では被験者の精液パラメーター(精子数、運動率)と活性酵素量の関係性について調査を行い、その結果より活性酵素のカットオフ値(基準値)を算出することが目的であるという。
第一段階では、不妊の要因などを詳細に把握するため、被験者(不妊症の男性のみ)に対して研究室評価・実験(活性化酵素の測定など)を行った。
第二段階では、被験者を2グループ(不妊症でない男性56人、不妊症の男性318人)に分け、精液パラメーターと活性酵素量を計測する。被験者の精液パラメーターと活性酵素量より、相互関係が立証されるという。
また、活性酵素量は化学発光法にて計測し、特性曲線(精液パラメーターと活性酵素量の関係を示す曲線)より活性酵素のカットオフ値が算出される。
(画像はイメージです)
男性の不妊における精液パラメーターと活性酵素量の関係性
不妊症でない男性(子供を授かった男性28人、過去2年以内に子供を授かった男性16人)は不妊症患者318人よりも精液パラメーターが著しく高く、一方で、活性酵素量は全ての不妊症患者のほうが明らかに多く発生しているとの試験結果が出たという。
不妊症でない男性と比較したところ、不妊症の男性は精液パラメーターが減少し、活性酵素量が過剰に増加していると判明した。
従来、活性酵素量は精液パラメーターと負相関関係にある。臨床的には、精しょう内の活性酵素量の測定により男性の不妊診断は可能であると立証されたという。

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http://www.rbej.com/content/12/1/33/abstract