喫煙が妊娠によくないことは知られているが、受動喫煙の影響は?
喫煙が妊娠に悪い影響があることはよく知られているが、非喫煙者も受動喫煙によって、同様に影響を受けるリスクがあることが、新しい研究によって明らかになった。
アメリカのロズウェル パークがん研究所と、ニューヨーク州立大学バッファロー校によって行われた研究で、受動喫煙が流産や死産、子宮外妊娠と関連があることが示された。これまでの研究では、妊娠中の喫煙が妊娠初期の自然流産や死産、子宮外妊娠に関連があることがわかっていたが、受動喫煙の影響についての根拠は限られていた。
この研究では、妊娠中や妊娠可能な期間での喫煙よりも、子供から大人までの生涯にわたる受動喫煙を対象にし、比較対象となる非喫煙者のグループは、受動喫煙の経験がないことを条件に選び、これまでの研究と比較してより正しく管理されたグループを対象に、分析が行われた。
選ばれた80,762名の女性データには、5,082名の現喫煙者、34,840名の喫煙経験者、40,850名の非喫煙者が含まれる。また、非喫煙者のうち、子供の時に受動喫煙があった場合と、大人で自宅または職場で受動喫煙があった場合で、それぞれグループに分けられた。
非喫煙者でも受動喫煙の有無でリスクに大きな差が
その結果、妊娠可能な期間に喫煙したグループと、非喫煙者グループとの比較では、流産や死産、子宮外妊娠の妊娠損失に高い関連が示された。しかし、非喫煙者で受動喫煙のあったグループと、受動喫煙のなかったグループとの比較でも、妊娠損失リスクにより高い関連があることが示された。
公共の場所では禁煙・分煙化が進んでいるが、家庭内など身近に喫煙者がいる場合など、受動喫煙に注意したい。

Tobacco Control
http://tobaccocontrol.bmj.com/