凍結胚移植
体外受精や顕微鏡受精では、多胎妊娠などの可能性があるため、一度に複数の移植は、できれば望ましくないといわれています。そこで受精卵があまった際に、卵を凍結することが行われています。
(画像はイメージです)
ところが、凍結胚移植後に生まれた単胎の赤ちゃんのほうが、凍結しないで移植した赤ちゃんよりも平均的に、体重が多いことが知られており、巨大児になりやすいのではないか、と注目を浴びていました。
凍結胚移植と巨大児の関係
そこで2013年に「Human Reproduction」に発表されたデンマークの研究では、凍結胚移植は巨大児の可能性を高めているのか、また、もしそうであれば、その理由はどこにあるのかについて調べたそうです。
896人の、凍結胚移植をした単胎の赤ちゃんと、普通の胚移植をした9480人の赤ちゃん、そして正常妊娠で生まれた4510人の赤ちゃんを10年にわたって調べました。また、一人目が普通の胚移植、二人目が凍結胚移植だった兄弟550組、逆の組み合わせを116組も調べたとのことです。
その結果、凍結胚移植後に生まれた単胎の赤ちゃんは、巨大児になる可能性があることがわかったそうです。これは、兄弟で調査した赤ちゃんたちにも見られたため、母親の側の因子が原因となっているとは考えにくく、凍結胚移植の技術のほうに原因があるのかもしれないとわかりました。
結論として
この結果は以前に行われた北欧の結果と同じであり、少なくとも、北欧の国々では一般化することができるのではないか、と筆者らは結論付けています。
編集部 C-NZ

Large baby syndrome in singletons born after frozen embryo transfer (FET): is it due to maternal factors or the cryotechnique?
http://humrep.oxfordjournals.org/