完全密閉されたシステムで受精から胚盤胞まで培養
ベルギーでの研究で、ヒトの体外受精で、簡易化された実験的な手法を使用した、試験的な臨床テストが行われた。その結果、妊娠と着床の成功率は、これまでの高額費用のかかる体外受精の手法とほとんど変わらなかった。この研究は、ジャーナル「生殖生体医学オンライン」で発表された。
この新しい簡易化された手法では、胚の培養方法に違いがあり、卵子回収、胚移植、実験時の人員配置、卵子や胚凍結保存の必要性に変わりはないが、通常の受精や着床前の胚形成から、胚盤胞の孵化まで、医療グレードのガスや設備なしで、大気と培養の条件を繰り返し作り出すことができる。
この新しい手法を使用して、16人の健康な子供の出産が成功しており、体外受精の費用を削減できる可能性が期待されている。
これまでより利用しやすい体外受精を
現在では、世界中で500万人以上の子供が、体外受精によって産まれている。しかし、体外受精の費用が高額なため、ほとんどが先進国のみで行われ、世界の人口で、10%以下の層しか利用できない状況だ。
この簡易化された体外受精の手法によって、資源に乏しい国だけでなく、先進国でも体外受精が富裕層にのみ利用可能な国でも、利用しやすくなることに期待したい。

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