潤滑ゼリーと妊活の関係

アメリカなどでは、これまでの報告で、潤滑ゼリーが精子の運動を妨げるので、妊娠を希望するカップルには望ましくないという結果が上げられていました。けれども、これはあくまでも実験室でのデータだったため、実際にパートナーとの行為で潤滑ゼリーを使ったカップルの妊娠率に影響があるかという調査は行われていなかったそうです。

そこで、アメリカの専門家達が、実際に妊活中の女性に潤滑ゼリーを使ってもらって、妊娠への影響を確かめました。アメリカでは潤滑ゼリーは6割以上の女性が使用しているメジャーなもの。薬局チェーンなどでも簡単に手に入れられます。

33-44歳で、3ヶ月以上自然妊娠にチャレンジしている女性296人が、研究に参加して潤滑ゼリーを使いました。それぞれが、生理、セックス、ゼリーの使用などをダイアリーに記録したものから、妊娠可能期間にあたる時期を選び、その後の妊娠の成立状況を最長6ヶ月にわたり分析しました。

その結果、潤滑ゼリーを使った女性の妊娠率は、使わなかった女性と変わらないことが分かりました。潤滑ゼリーの中で、精子の運動性が落ちることは実験では確認されていましたが、実際に使用した場合は、潤滑ゼリーは膣近辺にとどまり、子宮口などまで達することはあまりないため、影響がないのではないかと見られています。

セックスに苦痛が伴うことは、妊活の大きな妨げとなりますが、これまでは、妊娠に影響すると聞いて、潤滑ゼリーの使用をためらう人もいたそうです。実際の使用が妊娠に影響を及ぼすことはほとんどないことが明らかになったので、必要であれば安心して使うことができるようになりました。



Emax Health ; Do vaginal lubricants impact fertility?
http://www.emaxhealth.com/11306/

Obstetrics & Gynecology:Effect of Vaginal Lubricants on Natural Fertility
http://journals.lww.com/greenjournal/Abstract/