肥満妊婦へのライフスタイル介入
2月11日、ルンド大学(スウェーデン)の研究チームは、同大学プレリリースを通じて、肥満妊婦のライフスタイル介入と子供のエピジェネティック(後成的)な変化には関連性が認められ、肥満妊婦のライフスタイル変化は子供の遺伝子に影響を与えると発表した。
肥満妊婦に対して身体活動のみ、身体活動および食事管理の介入を行うことにより、妊娠中の体重増加は小さくなり、子供の筋肉量は増えたという。なお、研究論文は「Diabetes」に掲載されている。
肥満妊婦に対するライフスタイル介入と子供の遺伝子への影響
研究チームは、BMI値(体格指数)30以上の妊婦425人を対象に、3グループ(妊娠期に身体活動(1日あたりの歩数11000歩)と食事管理(1日あたり1200~1675kcalの地中海料理)によるライフスタイル介入あり、身体活動のみのライフスタイル介入あり、介入なし)に分類し、肥満妊婦に対するライフスタイル介入と子供の遺伝子への影響を検証した。
なお、肥満はBMI値25以上と定義される。新生児208人の臍帯血を解析したところ、DNAメチル化を通じてエピジェネティックな変化が認められた。妊娠期に母親がライフスタイル介入を受けた場合、ゲノム内379ヶ所にて370の遺伝子にて、エピジェネティックな変化が生じた。
エピジェネティックな変化が確認された遺伝子のうち、2型糖尿病に関連する複数の遺伝子において代謝・脂肪細胞の発達、インスリン放出が抑制された。また、生後9、18、36ヶ月の子供に行った追跡調査より、22のエピジェネティックな変化と子供のBMI値において関連性が認められた。
肥満妊婦に対するライフスタイル介入と子供の体重
合わせて、肥満女性が妊娠中に身体活動と食事管理によるライフスタイル介入、あるいは、身体活動のみのライフスタイル介入を受けた場合、ライフスタイル介入なしの肥満妊婦と比べ、生まれた子マウスにおける出生時の筋肉量は増えたという。
研究チームは、妊娠期の身体活動および食事管理により、肥満女性における妊娠中の体重増加は小さくなり、子供の筋肉量を増やすと結論付ける。
(画像はLund Universityより)

Lund University
https://www.lunduniversity.lu.se/