妊娠初期の運動の重要性
1月11日、テネシー大学ノックスビル校の研究チームは、大学プレスリリースにて、妊娠初期に運動量が多い女性は、妊娠糖尿病の発症リスクを軽減できると発表した。なお、研究論文は、「Diabetes Care」(12月21日発表)に掲載されている。
妊娠糖尿病とは、糖尿病の病歴のなかった女性が妊娠に伴い発症する糖尿病であり、妊娠初期に診断が下る。妊娠合併症、陣痛・分娩時の異常や合併症を併発しやすく、将来的には、母子の糖尿病リスクを高める。
今回、妊娠中に1日あたり最低38分間、「中等度」の強さの運動(心拍数:1分間100~120拍以内)を毎日行うことにより、妊娠糖尿病の発症リスクが軽減されると報告された。
妊娠初期に1日最低38分間「中等度」の強さの運動を
研究チームは、「Kaiser Permanente Northern California」メンバーである妊婦2246人に対してアンケート調査を行い、妊娠初期の運動による効果を検証した。なお、「Kaiser Permanente(カイザーパーマネンテ)」は、アメリカ三大健康保険システムのうち、最大の健康維持機構である。
被験者の自己申告による妊娠中の運動量に基づき、妊娠中の運動がもたらす影響を検証したところ、妊娠初期の運動によって被験者100人中、妊娠糖尿病の発症リスクは2.1ケース、血糖異常リスクでは4.8ケースまで低下した。
研究チームは、妊娠初期の女性が「中等度」の強さの運動を1日あたり最低38分間、毎日続けることにより、妊娠糖尿病の発症および血糖異常が予防できると結論付けている。
(画像はプレスリリースより)

UNIVERSITY OF TENNESSEE KNOXVILLE
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