新たな精子選別アプローチ
モナッシュ大学の研究チームは、「Lab on a Chip」にて、音波と流体力学の組み合わせによって、質の高い精子を抽出できると発表した。
今回の開発は、体外受精、顕微授精など生殖補助医療において、精子分離の新たなアプローチを確立させ、質の高い精子の選別が可能になると期待される。
音波と流体力学による精子選別
同大学の機械・航空宇宙工学部は、音波と流体力学を組み合わせ、迅速かつ自動化された音響流体プロセスを開発した。
新たなデバイスは、流れの方向に対して30度の角度で音波を照射して、生精液から精子を分離させる。音波による音響反射力によって、質の高い精子のみを流れからマイクロチャネルへ押し出す。選別対象でない精子は生精液に残し、質の高い精子のみを生精液から抽出する。
新たなデバイスにより、生精液サンプルから、正常な頭部形態をもち、DNAの完全性の高い精子の選別が可能となる。1秒間あたり約140の精子を処理し、50分掛からずに、6万以上もの質の高い精子を選別できるという。
新たな精子選別によって、前進運動率は60%以上、DNAの完全性では約40%改善した。
研究チームは、短時間で質の高い精子を選別することが目的であり、成功率は複数パラメーターに基づくと説明する。
また、精子選別プロセスでは、精子運動率に加えて、大きさ、形態も考慮したうえで、質の高い精子を抽出する。それゆえ、体外受精の成功率、顕微授精の成功率をはじめ、生殖補助医療の結果の改善につながると期待される。
(画像はプレスリリースより)

MONASH University
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