医療機関の透過性が不妊治療に与える影響
コロラド大学アンシュッツキャンパスの研究チームは、「ASRM 2020(第76回米国生殖医学会議)」にて、アメリカ疾病対策予防センターが求める情報提供量以上の情報を自発的に開示・提供する医療機関では、体外受精の成功率(妊娠・出産率)がより高いと発表した。
今回の調査を通じて、トランスパレンシー(透過性・公開性)と体外受精の成功率に関連性があると認められた。つまり、情報の透過性が高い医療機関では、体外受精による妊娠・出産率が高くなる傾向にあるという。
情報の透過性と体外受精の成功率における関係性
研究チームは、2014年から2017年に掛けて、情報の透過性と体外受精の成功率における関係性を調査した。
調査では、生殖補助医療の専門家組織「the Society for Assisted Reproductive Technology(SART)」を介して、アメリカ疾病対策予防センターが求める情報提供において、最低限の情報のみを提供する医療機関、情報提供請求以上の情報を自発的に開示する医療機関の不妊治療結果を比較した。
体外受精の妊娠・出産率、体外受精サイクルのキャンセル件数を比較したところ、キャンセル件数は、情報の透過性が高い医療機関にて高くなった。これは、体外受精の成功可能性が高い場合、体外受精プロセスを進めることを示唆する。
研究チームは、今回の調査結果より、情報の透過性が高い医療機関では、患者と医師の間にて円滑なコミュニケーションが図れ、患者はより理解・納得したうえで体外受精プロセスを進められると考える。
(画像はプレスリリースより)

University of Colorado Anschutz Medical Campus
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