出生体重と心肺機能
カロリンスカ研究所(スウェーデン)は、「JAHA」にて、低出生体重(出生体重2500g未満)と心肺機能の低下に関連性が認められたと発表した。
心肺機能は、持続的運動・身体活動中に、身体が酸素を筋肉に供給する能力であり、健康状態を保ち、疾患・死亡リスクを軽減するうえで重要である。今回、出生体重が標準(2500g)以下であった場合、標準体重児と比べ、心肺機能が低下する傾向にあると報告された。
低出生体重と心肺機能における関係性
研究チームは、スウェーデン人男性28万人以上(17~24歳)を対象に、低出生体重と心肺機能における関係性を検証した。
被験者に対して身体検査・健康診断、自転車エルゴメータ(運動負荷)試験を行い、有酸素性能力の最大値を測定したところ、心肺機能は、出生体重に比例して顕著に高くなった。妊娠40週で誕生した場合、出生体重が450g増加するごとに心肺機能は平均7.9W上昇した。
METs(メッツ:活動・運動による代謝・カロリー消費の度合い、1メッツは安静状態の身体活動の強度)は、出生体重450g増につき、平均1.34増加した。また、早死リスクは13%、循環器疾患では15%の差が生じ、腹囲・ウエスト7cm減により低下する死亡リスクと同等となった。
研究チームは、たとえ満期産・正期産(妊娠37~41週)の出産であっても、出生体重が標準(2500g)以下である場合、低出生体重が心肺機能の低下の要因に成り得ると結論付けている。それゆえ、今回の研究結果は、低出生体重児を減少させることが重要であると明確に示している。
(画像はプレスリリースより)

Karolinska Institutet
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