妊娠初期の絨毛膜下血腫による影響
7月18日、中国の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、生殖補助医療による妊娠において、妊娠初期(妊娠12週)の絨毛膜下血腫と有害な妊娠転帰に関連性はないと発表した。
体外受精を含む生殖補助医療を用いた妊娠では、妊娠初期の絨毛膜下血腫が有害な妊娠転帰リスクを増加させることはないという。なお、絨毛膜下血腫とは、胎嚢(赤ちゃんを包んでいる袋)の周りに血腫(出血した血液が溜まったもの)ができた状態である。
妊娠初期の絨毛膜下血腫と妊娠結果における関係性
研究チームは、学術データベース「PubMed」「Embase」「Web of Science」「Scopus」を用いて、生殖補助医療による妊娠を対象に、妊娠初期の絨毛膜下血腫と妊娠結果における関係性を検証した。
妊娠初期(妊娠20週未満)の妊娠転帰に焦点を置き、妊娠初期に絨毛膜下血腫がある女性群と絨毛膜下血腫がない女性群を比較したところ、妊娠初期流産の可能性、早産率(妊娠37週未満の出産)、低出産体重率(2500g未満)、胎児発育不全率、帝王切開率、出生率は統計的に類似していたという。
あわせて、妊娠糖尿病、高血圧症候群、前期破水、胎盤早期剥離などの有害な妊娠転帰リスクは、両群において差異は認められなかった。
これより、体外受精をはじめ、生殖補助医療による妊娠では、妊娠初期の絨毛膜下血腫が有害な妊娠転帰リスクを増加させることはないといえる。
(画像はSPRINGER LINKより)
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