妊娠中の食生活による影響
1月24日、デンマークの研究チームは、「Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica」にてヴィーガン志向の妊婦は、雑食志向の妊婦と比べて子癇前症(妊娠高血圧腎症)や低出生体重児リスクが高まると発表した。
とりわけ、妊娠中のヴィーガン食生活により、タンパク質の摂取量が不足して胎児の出生体重低下をまねくと推測される。
食生活と妊娠結果における関係性
ヴィーガンとは動物由来の食品を一切食べず、植物由来の食品のみを摂る完全菜食主義である。
今回、研究チームは、「Danish National Birth Cohort」の一貫として雑食の女性65872人、ポーヨ・ベジタリアン(鶏肉、魚を食するスタイル)666人、ラクト・オボベジタリアン(卵・乳を食するスタイル)183人、ヴィーガン18人を対象に、妊娠中の食生活が妊娠に与える影響を検証した。
妊娠中期(妊娠25週)に実施した食事とサプリメントに関するアンケート調査に基づき、妊娠合併症、胎児の成長(体重、大きさ)への影響を検証したところ、妊娠中のヴィーガン食生活によって子癇前症や低出生体重児リスクが高まることが認められた。
また、ラクト・オボベジタリアンならびにヴィーガン志向の女性は雑食志向の女性よりタンパク質の摂取量が少ないことが分かった。あわせて、ヴィーガンは微量栄養素の摂取量が最も少なく、雑食と比べて子癇前症の有病率が高くなり、出生体重は平均240g少なかったという。
とりわけ、研究チームは、妊娠中のヴィーガン食生活によってタンパク質の摂取量が不足し、低出生体重児リスクが増すと推測する。
(画像はAOGSより)

AOGS
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