妊娠前・妊娠中の飲酒の危険性
2月16日、オランダの研究者らは、「European Society of Human Reproduction and Embryology」にて、妊娠前(妊活中)ならびに妊娠中の飲酒は子供の顔立ちを変化させると発表した。
顔は健康の鏡といわれ、健康状態や成長発達の問題を判断する重要な指標となる。今回、妊娠前・妊娠中の飲酒量と子供の顔立ちの変化において関係性が認められ、妊娠する3ヶ月前から妊娠中まで飲酒を続けていた場合、子供の顔立ちに変化が生じると報告された。
妊娠前・妊娠中の飲酒量と子供の顔立ちの変化における関係性
研究チームは2006年1月から2009年4月の期間、オランダにて誕生した子供(9歳3149人、13歳2477人)を対象に、人工知能とディープラーニングを用いて三次元の顔画像を分析した。
分析結果より、妊娠前ならびに妊娠中の母親の飲酒は、胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)の発症リスクを高め、子供の顔立ちを変化させることが認められた。
胎児性アルコール・スペクトラム障害は、認知障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害、記憶障害、行動障害、言語障害(言語の遅れ)が症状として挙げられ、特徴的な顔立ちになるといわれる。
このように出生前のアルコール曝露は、子供の健康に重大な悪影響を及ぼす。今回、たとえ1週間あたりのアルコール摂取量が12g未満(ビール330ml、ワイン175ml)と少量であっても影響が出ることが確認された。
また、妊娠前期で母親が飲酒を止めた場合、妊娠後期まで母親が飲酒を続けた場合を比較したところ、子供の健康に与える影響はさほど変わらなかったという。
(画像はEshreより)

Eshre
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