妊娠中のアセトアミノフェン服用による影響
10月4日、ペンシルベニア州立大学(アメリカ)の研究チームは、プレスリリースを通じて、妊娠中のアセトアミノフェン服用は胎児の成長・発達に作用し、未就学児の睡眠面および行動面に悪影響を及ぼすと発表した。
妊娠中のアセトアミノフェン服用と未就学児の睡眠障害、注意欠陥・多動症(ADHD)などの行動障害において関連性が認められたという。なお、研究論文は「PLOS」(9月28日)に掲載されている。
妊娠中のアセトアミノフェン服用が子供の成長・発達に与える影響
アセトアミノフェンは風邪による発熱、頭痛や筋肉痛による痛みなどに効き、解熱鎮痛剤として代表的な薬剤である。妊婦でも服用できる薬であるものの、原則、医師の指示のもとで使用する。
今回、研究チームは初産婦2400人以上を対象に妊娠中のアセトアミノフェン服用が子供の成長・発達に与える影響を検証した。
調査期間は妊娠後期から産後3年まで継続された。妊娠中に薬の服用とストレス状態に関する調査を実施したところ、被験者のうち41.7%は妊娠中にアセトアミノフェンを服用したと回答した。
また、産後1、6、12、18、24、30、3ヶ月では母親に対してインタビュー調査を行い、子供の神経麺および行動面での発達を評価した。
調査結果より、妊娠中の母親がアセトアミノフェンを服用していた場合、服用していない場合と比べて、子供が睡眠問題、ADHDなどの行動問題を抱えている可能性が高くなった。しかしながら、今回の研究では、妊娠中のアセトアミノフェン服用が胎児の成長・発達へ関与するメカニズムの解明には至っていない。
(画像はプレスリリースより)

PennState
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