妊娠貧血による影響
12月3日、「SciDev.Net」を通じて、インドの研究チームは、妊娠中の貧血によって子供の貧血リスクが増すと発表した。
妊娠時にみられる貧血は「妊娠貧血」と総称される。妊娠貧血は、ヘモグロビン(Hb)値が10g/dL未満と定義される。
今回、妊娠中の母親に貧血の症状がある場合、出生後から2歳までの子供の貧血リスクが増すと報告された。一方、妊娠貧血、子供の発達遅延および感染症において因果関係は認められなかった。
なお、研究論文は、「BMJ Open」(11月12日)に掲載されている。
妊娠中の貧血と子供の貧血リスクにおける関係性
研究チームは、インド・ビハール州マデープラ群に住む低所得層の母子(941~999人)を対象に、妊娠中の貧血と子供の貧血リスクにおける関係性を検証した。
母子のヘモグロビン値(血色素量)、子供の身長・体重を計測したところ、妊娠中の母親が中等度から重度の貧血である場合、その子供のHb値は、妊娠貧血でない母親から誕生した子供と比べて低くなった。また、妊娠中の母親のHb値が 1 g/dL増加するごとに子供Hb値は0.17 g/dL増えることが確認された。
一方、妊娠中の母親のHb値は、発育阻害(年齢に対する身長で評価)、消耗症(身長に対する体重で評価)、低体重(年齢に対する体重で評価)など子供の成長・発達には影響を与えないという。
(画像はBMJ Openより)

BMJ Open
https://bmjopen.bmj.com/content/11/11/e046802#T2Sci Dev Net
https://www.scidev.net/