妊娠中のコロナ感染リスク
10月28日、ユタ大学(アメリカ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、妊娠中の母親が新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に感染した場合、母親および胎児の健康状態に対して長期的に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らす。
妊娠中の新型コロナウイルス感染により、急性期治療後も後遺症とみられる症状が長引くという。
コロナ感染症による影響
先行研究では、新型コロナウイルスに感染して重症化した妊婦は、通常の妊娠時に比べて妊娠継続リスクや母子間垂直感染・垂直伝播リスクが高まると報告されている。
母子間の垂直感染は稀なケースではあるものの、これまで、コロナ陽性者の妊婦のうち3%は、新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」が母から子へ伝播したことが認められている。
症状が長引くコロナ後遺症
アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、現在、新型コロナ陽性者のうち約30%は、「コロナ後遺症」に悩まされているという。
コロナ後遺症の症状としては、疲労感・倦怠感、動悸・息切れ、記憶障害、胸の痛みなどが報告されている。
コロナ後遺症は症状が長引くことから「ロングCOVID」とも呼ばれる。アメリカ国立衛生研究は、ロングCOVIDを含め、新型コロナウイルス急性期治療後に残る幅広い症状に対して、「post-acute sequelae of SARS-CoV-2(PASC)」という用語を提唱している。
今後、研究チームは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の協力を得て、妊娠中にコロナ感染した母親を対象に母子の健康状態をモニタリングして、妊娠中の新型コロナウイルス感染と母子の健康に対する長期的影響について検証していくという。
(画像はプレスリリースより)

University of Utah Health
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