精子鞭毛の形態異常と乏精子無力症の因果関係
10月16日、中国の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、精子鞭毛の形態と乏精子無力症には因果関係が認められ、精子鞭毛の形態異常によって乏精子無力症が引き起こると発表した。
乏精子無力症を引き起こす遺伝子
乏精子無力症では、乏精子症(精子濃度が低い状態)と精子無力症(精子運動率が低い状態)が併発し、精子数が標準値と比べて少なく、かつ精子運動率も低い状態となる。
病原因子として、複数の遺伝子が候補に挙がっているものの、これまで、乏精子無力症の病原遺伝子は特定できていなかった。
そこで、今回、研究チームが乏精子無力症の男性を対象に次世代シーケンシング(NGS)を実地したところ、精子鞭毛においてDNH10バリアントが検出された。DNH10バリアントは精子鞭毛の形態異常であり、通常、このバリアントは認められない。
したがって、DNH10バリアントが乏精子無力症の病原性多様体(疾患を引き起こす突然変異)であるといえる。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

Journal of Assisted Reproduction and Genetics
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