年齢上昇に伴う妊娠可能性の低下
8月24日、モントリオール大学(カナダ)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、年齢に伴って、卵子における染色体異常の発生率が増し、卵子の質および妊娠可能性が低下すると報告した。
年齢の上昇と共に、卵母細胞の減数分裂で染色体分離・分配の異常が生じやすくなり、妊娠可能性が下がるという。なお、研究論文は、「Developmental Cell」に掲載されている。
年齢上昇と卵子の染色体分離・分配における異常
卵子の質は年齢と共に低下するため、35歳を超えると妊娠が難しくなるといわれる。そこで、研究チームは、年齢の高いマウスを用いた動物モデル実験を行い、女性の年齢と卵子の質における関係性を検証した。
実験を通じて、年齢の高いマウスの卵子(卵母細胞)では、減数分裂において染色体の分離に遅延が生じることが認められた。この染色体分離の遅延によって染色体は均等に分配されず、染色体異数性(染色体数の過小・過剰による異常数、対になる染色体に過剰や欠損がある状態)を伴う卵母細胞が形成された。
卵子の染色体異常は、主な女性不妊の要因とされる。研究チームは、年齢上昇に伴い、卵子の形成過程で染色体異常の発生率が高まり、その結果、卵子の質、妊娠可能性が低下すると結論付ける。
また、今回の発見を活かすことで、35歳以上の女性において卵子の質を改善でき、妊娠可能性が高まると期待される。
(画像はプレスリリースより)

Université de Montréal
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