ヒトパピローマウイルス感染症が妊娠に与える影響
5月26日、ヨーテボリ大学(スウェーデン)の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染した女性では、早産リスク(妊娠37週未満の出産)が増すと発表した。
なお、研究論文は、「PLOS Medicine」に掲載されている。
ヒトパピローマウイルスとは
性交渉の経験がある女性のうち半数以上は、生涯で一度はヒトパピローマウイルスに感染するといわれる。多くは一過性であり、ウイルスに感染しても自己免疫力にて自然に消滅する。
一方、自己免疫力にて消滅しなかった場合、ヒトパピローマウイルス感染によって異型細胞が形成され、子宮頸癌などを発症させるという。
ヒトパピローマウイルス感染症と早産リスクにおける関連性
研究チームは、スウェーデンでの出生登録「Swedish Medical Birth Register」(1999~2016年の出産件数1044023件を含む)を用いて、ヒトパピローマウイルス感染症と早産リスクにおける関連性を検証した。
妊娠前(妊活中)および妊娠中にHPV検査を行い、陽性判定が出た女性のデータを分析したところ、ヒトパピローマウイルス感染症の治療を受けている女性の早産率は、治療を受けていない女性の早産率を比べ、低くなった。
データ分析は限定的であるが、ヒトパピローマウイルス感染症と早産リスクにおける関連性が認められた。また、研究チームは、HPVワクチンの接種を推奨する。HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルス感染症の予防だけでなく、早産リスクの軽減にも効果的であるという。
(画像はプレスリリースより)

University of Gothenburg
https://www.gu.se/NEWS MEDICAL
https://www.news-medical.net/