食事が男性ホルモンに与える影響
4月21日、四川大学の華西病院(中国)は、「The Journal of Urology」にて、炎症性食品により、男性のテストステロン欠乏リスクが高まると発表した。
炎症性食品とは、体内炎症を促進する傾向の高い食品・食品成分であり、炭水化物、赤身の肉、加工肉が含まれる。食事が炎症状態に与える影響を総合的に評価する指標「Dietary Inflammatory Index (DII)」によって評価され、DIIスコアが高いほど炎症を促進する食事である。
炎症性食品とテストステロン欠乏における関連性
今回、研究チームは、男性4151人を対象に、DII値とテストステロン欠乏症における関連性を検証した。
テストステロン欠乏症と体内の炎症レベルには関連性があり、テストステロン値が低い男性は、炎症性サイトカイン(炎症反応を促進させるサイトカイン)が増加する。炎症性サイトカインは免疫に関与し、怪我、感染症など体内への細菌・ウイルス侵入時、身体を守る働きをもつ。
食事記録法(24時間思い出し法)とホルモン検査結果より、炎症性食品を多く摂取する男性は、抗炎症性食品を摂る男性と比べて、テストステロン欠乏症の発症率が約30%高いことが認められた。
精製された炭水化物(小麦粉、白米、砂糖)、多価不飽和脂肪酸を多く含む食事を摂ることにより、テストステロン欠乏リスクが増すという。特に、DII値が高い食事を摂っている肥満男性では、テストステロン欠乏リスクが極めて高くなった。
なお、テストステロンとは男性ホルモンであり、男性の生殖能力・性機能において重要な役割を担っている。テストステロン値が300ng/dL未満の場合、テストステロン欠乏症と診断される。
テストステロンの低下に伴い、性欲・性衝動は減退する。また、テストステロンはエネルギー源であるため、活力や集中力は低下し、イライラ・鬱状態が助長する。
(画像はThe Journal of Urologyより)

NEWS MEDICAL
https://www.news-medical.net/The Journal of Urology
https://www.auajournals.org/doi/10.1097/JU.0000000000001703