出生前後の化学・非化学物質曝露による影響
4月26日、バルセロナ・グローバルヘルス研究所(IS Global)は、同研究所のプレリリースを通じて、妊娠期におけるタバコおよび大気汚染曝露が、子供の行動発達に悪影響を及ぼすと発表した。
妊娠期の母親がタバコの煙および大気汚染物質に晒された場合、子供は出生前後に化学物質・非化学物質の曝露を受け、乳幼児期の成長に影響が生じるという。なお、研究論文は、「Environmental International」にて掲載されている。
出生前後の化学的・非化学的な環境曝露が子供の成長に対して与える影響
乳幼児期は、脳が急速に発達するため、精神的健康(メンタルヘルス)にとって重要な時期である。一方、行動障害の要因は解明されていないものの、限定的な遺伝要素が、社会的・身体的に相互作用する行動障害に関与していると推測される。
今回、研究チームは、大規模プロジェクト「European Human Early-Life Exposome(HELIX)」に基づき、初めて、妊娠期(出生前)および産後(出生後)における化学的・非化学的な環境曝露が子供の成長に対して与える影響を検証した。
ヨーロッパ諸国6ヶ国の出生コホート研究6文献を用いて、子供1287人(6~11歳)を対象にデータを分析したところ、妊娠期のタバコの煙および大気汚染物質の曝露と子供の行動障害において強い関連性が認められた。
合わせて、例えば、妊娠期の生活環境が自動車交通量の多い都市部であるなど、妊娠期の母親が大気汚染物質に晒された場合、子供の外在化問題行動(攻撃、衝動、秩序破壊など)、注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクが高まった。
一方、産後におけるタバコの煙および環境汚染物質曝露と子供の行動障害リスクに関連性は確認されなかった。これにより、妊娠期(在胎期)は、子供の神経システムが急速に発達する時期であり、有害物質曝露による影響を最も受けやすいと結論付けられる。
(画像はプレスリリースより)

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