感染不安の高さ
3月10日、東北大学の研究チームは、同大学プレリリース(英語版)を通じて、日本において妊娠中および不妊治療中の女性は、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に対する不安レベルが高いと報告した。研究論文は、「Journal of Affective Disorders Reports」に掲載されている。
同大学の若島 孔文教授は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)により、妊婦および不妊治療患者を取り巻く社会的環境は変わったと説明する。
例えば、日本では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、妊婦教室の開催、里帰り出産が制限されている。また、不妊治療を受ける女性は減少傾向にあるとも報告されている。
信頼できる情報を得て感染を予防できるようにサポートするべき
若島教授が率いる東北大学、北海道大学、日本ブリーフセラピー協会による研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)のパンデミック初期段階において、妊婦の新型コロナウイルス感染症に対する不安を「Fear of COVID-19 Scale(新型コロナウイルス恐怖尺度)」日本語翻訳版を用いて測定した。
2020年5月末と6月初め、日本の妊婦・不妊治療患者305人(不妊治療患者13人)を対象に新型コロナウイルス感染症に対する不安についてアンケート調査(オンライン)を行ったところ、日本の妊婦は新型コロナウイルス感染症に対する不安が高いことが認められた。
また、不安レベルは、買い溜め行動、自身の健康モニタリングに関連していた。
さらに、新聞やテレビを重要な情報源と考える妊婦は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を重要な情報源であると考える場合と比べ、不安レベルは高くなった。
最終的に「新型コロナウイルス恐怖尺度」が開発されたイランにおける調査結果と比較したところ、日本の妊婦は、イランの妊婦より新型コロナウイルス感染症に対する不安レベルが高いことが示された。
研究チームは、調査結果より、妊娠中の女性が新型コロナウイルス感染症に対する不安に対処でき、信頼できる情報を得て感染を予防できるように、コミュニケーションを改善することが重要であり、求められると考える。
(画像はプレスリリースより)

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