子供の性決定に関連する因子
4月6日、グラナダ大学の研究チームは、同大学プレリリースを通じて、子供の性別が決定されるうえで、妊娠成立前および妊娠超初期における母親のストレスが大きく影響すると発表した。
妊活中・妊娠成立前および受胎(卵子と精子が受精して子宮内で発育可能になった状態)・妊娠超初期において、母親のストレスが大きい場合、男児になる確率と比べ、女児になる確率は約2倍であると報告された。
研究論文は「Journal of Developmental Origins of Health and Disease」にて掲載されている。
母親のストレスと子供の性決定における関係性
研究チームは、女性108人(妊娠前から妊娠9週目まで)を対象に、妊娠初期から出産までの期間、毛髪に含まれるストレスホルモン「コルチゾール」の測定および複数の心理テストを行い、母親の精神的(心理的)ストレスと子供の性決定における関係性を検証した。
なお、コルチゾールは、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、ストレスを受けると脳からの刺激によって分泌量が増えるといわれる。また、妊娠8週目から10週目に採取した毛髪に含まれるコルチゾール量は、過去3ヶ月間のコルチゾール濃度であり、受胎前後の期間に受けたストレスを反映している。
毛髪のコルチゾール濃度と心理テスト結果に基づき、妊娠前・妊娠中・産後のストレス度を評価したところ、女児を出産した母親は、男児を出産した母親と比べて受胎前後のコルチゾール濃度が高い、つまりは心理的ストレスが大きいことが認められた。
ストレスシステムが子供の性決定に及ぼす影響は解明されていないものの、研究チームは、ストレスによってコルチゾール分泌量が増加すると受胎前後の性ホルモン濃度が変化し、子供の性決定に影響を与えるのではないかと推測する。
あわせて、受胎前後における母親の心理的ストレスが大きい場合、卵子がX染色体をもつ精子と受精しやすくなると考える。卵子がX染色体をもつ精子と受精すると女児、Y染色体をもつ精子と受精すると男児が誕生するという。
(画像はプレスリリースより)

UGR
https://canal.ugr.es/