胚の成長スピードにおける違い
8月28日、コーネル大学(アメリカ)は、胚における遺伝子の発現には性別による違いがあることより、男の子になる胚は女の子になる胚と比べて成長スピードが速いと発表した。
受精後7日目から8日目の段階にて、男の子になる胚と女の子になる胚は、発達に差が生じるという。なお、研究論文は「Cell & Bioscience」(8月27日)にて掲載されている。
性別と胚の成長スピード
人間を含めた哺乳類では、胚の成長スピードと胎児の性別において有意差がある。男の子になる胚は、女の子になる胚と比べて成長スピードが速いといわれる。
そこで今回、研究チームは、牛の胚を用いた動物モデル実験を行い、胚の成長スピードの性差をゲノムレベルと分子レベルにて検証した。
牛の胚をペトリ皿(シャーレ)で培養し、遺伝子の性別と遺伝子発現を解析したところ、雄になる胚と雌になる胚において遺伝子発現に顕著な違いが確認された。
雄になる胚の場合、エネルギー代謝に関連する遺伝子が優先的に発現した。一方、雌になる胚では、性分化、生殖腺の発達、炎症経路に関連する遺伝子が優先された。
遺伝子発現に性別による違いがあることから、雄になる胚は、雌になる胚と比べて速く成長するという。今後の研究では、受精から受精後8日目までの胚における性差を追求していくが、ゲノム
に内在する要因が胚の成長スピードの違いに関与すると示唆される。
(画像はCORNELL UNIVERSITYより)

CORNELL UNIVERSITY
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