子宮腔内受精と妊娠率
第33回欧州ヒト生殖医学会(ESHRE 2017)にて、子宮腔内受精による妊娠率は、体外受精と比較すると22%高くなり、治療費用負担は軽減されると発表された。
なお、第33回欧州ヒト生殖医学会は、7月2日から5日に掛けてスイス・ジュネーブにて開催された。
不妊女性に対する臨床試験
オークランド大学の研究チームは、子作り、妊活開始から3ヶ月以上を経ても妊娠に至らない女性201人を対象に、排卵誘発剤と併用して子宮腔内受精3回を実施した。
臨床試験結果より、子宮腔内受精における出生率の幅は9%から31%であったと報告されている。体外受精と比べ、22%の増加が認められた。
また、ファティリティ・クリニック・イサラ(オランダ・ズヴォレ)が、不妊に悩むカップル602組に対して、子宮腔内受精と体外受精を行ったところ、同様の結果が得られた。体外受精と比べ、排卵誘発剤を併用する子宮腔内受精の妊娠率は高くなったという。
子宮腔内受精の効果
ファティリティ・クリニック・イサラのベン・コーレン(Ben Cohlen)医師は、男性側に不妊要因があり、原因不明である場合、体外受精を検討する前に、最低3回の子宮腔内受精を推奨すると述べている。
合わせて、ホマートン大学病院生殖医学科のRoy Homburg教授は、不妊治療において子宮腔内受精を行わず、体外受精を行うことについて疑問を呈する。
妊活開始から1年以上妊娠できない状態では、体外受精を実施する前段階として、子宮腔内受精を試みる価値があると考える。
特に、女性不妊の場合、排卵誘発剤と併用して子宮腔内受精を行うことにより、体外受精と比べて、費用的、身体的負担は軽減するという。
子宮腔内受精とは
子宮腔内受精では、女性の子宮に精子を直接注入する。卵管に異常がない場合、実施可能である。深刻な副作用はないといわれる。
また、子宮腔内受精による妊娠成立には、女性の年齢、生殖能力や不妊状態が大きく影響を与える。
(画像はPixabayより)

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