顕微授精と遺伝的不妊
ブリュッセル自由大学病院(ベルギー・ブリュッセル)は、父親が不妊の場合、不妊治療により誕生した男児は遺伝的に精子の質が低く、精子数は少ない傾向にあると発表した。
顕微授精の先駆者であり、ブリュッセル自由大学のアンドレ・ファン・スティールトゲーエム(Andre Van Steirteghem)教授は、顕微授精が導入される以前より、子供が男児の場合、父親の不妊が遺伝する可能性は示唆されていたと述べている。
薄い精子濃度と少ない精子
研究は、顕微授精により誕生した男性54人を対象に実施された。男性は18歳から22歳であり、1992年から1996年の間に生まれている。(1992年1月14日、世界初の顕微授精による妊娠・出産が成功)
自然妊娠により誕生した同世代の男性と比較したところ、顕微授精により誕生した男性の精子濃度は半分程度であり、1ミリリットル当たり1500万以下であることが判明した。
世界保健機関(WHO)が定める基準値を下回る男性は、同世代の男性と比べ、3~4倍であった。世界保健機関(WHO)では、1ミリリットル当たり3900万以上を基準値と定めている。また、被験者の男性グループでは、精子数と精子運動率も通常の半分程度と低くなった。
一方、専門家らは、今回の研究結果が顕微授精により誕生した男児全てには該当しないと注意を促す。近年、男性の精液量が異常であり、顕微授精による治療を行うケースが増加傾向にあるといわれる。
顕微受精
一般的に、男性が精子・精液の異常に起因する不妊の場合、顕微授精が有効とされる。
顕微授精では、男性から採取した精子のうち、最良の精子を選び、卵子に直接注入して人工的に授精させる方法である。
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The Tribune
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