新鮮な卵子と凍結卵子
ヒューマン・リプロダクティブ・センターのヴィタリー・A・クシュニル(Vitaly A. Kushnir)博士の研究チームは、新鮮な卵子(胚)と凍結卵子(胚)を用いて体外受精成功率に関する比較実験を行い、新鮮な卵子のほうが僅かに妊娠の可能性は高まると報告した。
しかしながら、新鮮な卵子と凍結卵子の体外受精成功率は大差なく、専門家らは凍結卵子を用いた体外受精は妊娠を望む女性にとって最適な方法であると推奨している。
体外受精成功率の相違
アメリカ全土の不妊治療クリニック380ヶ所にて、2013年に行われた体外受精について分析したところ、凍結卵子を用いた体外受精の妊娠率は43%であった。新鮮な卵子を用いた体外受精成功率は50%となり、凍結卵子のほうが7%低くなったという。
また、凍結胚移植の出生率は47%、新鮮胚移植の出生率は56%であった。
研究チームは、体外受精の過程における卵子の数が体外受精成功率の相違になると仮説を立てた。生殖補助医療協会によると、一般的に、新鮮な卵子を用いた体外受精では15個から25個の卵子を使用するが、凍結卵子では6個から8個が提供される。
クシュニル博士は、体外受精の過程において卵子の数や質は重要であると述べている。
凍結卵子を用いた体外受精が有効
研究チームは、様々な治療選択や最先端の不妊治療技術により、凍結卵子を用いた体外受精成功率は高められると述べている。また、凍結卵子の質は凍結保存期間も変わらないと確約している。
不妊に悩むカップル、ガン治療や加齢により生殖能力が衰えた女性にとって、凍結卵子を用いた体外受精は好ましいという。
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