抗酸化サプリメントの不妊治療効果
ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームは、「34th Annual Meeting of the European Society of Human Reproduction and Embryology(第34回欧州ヒト生殖会議)」にて、抗酸化サプリメントに精子の質を改善する効果はないと発表した。
これまで、抗酸化物質(酵素が関与する有害な反応を軽減、除去する物質)により、精子パラメーターの異常が改善されると考えられてきた。
しかしながら、今回の研究において、不妊男性が抗酸化物質を補う抗酸化サプリメントを3ヶ月以上摂取した場合、サプリメントを摂取しない場合において、精子の質(濃度、形態、運動率、DNA断片化率)に大きな差は認められないと報告されている。
抗酸化サプリメントと精子の質における関係性
研究チームは、アメリカにて不妊に悩むカップル174組を対象に臨床試験を実施し、抗酸化サプリメントと精子の質における関係性を検証した。男性の精子濃度・数・運動率は基準値以下であり、精子形成異常率・DNA断片化率が高く、男性に不妊要因があった。
臨床試験では、最低3ヶ月間、抗酸化サプリメントを摂取したグループと摂取しなかったグループに分け、効果を比較した。
試験結果より、抗酸化サプリメント(ビタミンC・D3・E、亜鉛、セレニウム、葉酸、カルニチン)を摂取した場合、サプリメントを摂取しない場合において、精子の質(濃度、形態、運動率、DNA断片化率)に大きな差は認められなかった。
研究チームは、抗酸化サプリメントの使用により精子の質を改善させ、自然妊娠を望む方法は有益でないと結論付けている。
(画像はPixabayより)

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