人工多能性幹細胞(iPCSs)の開発成功
モンタナ州立大学幹細胞生物学・再生医療研究所のレニー・レイヨ・ペラ氏(Renee Reijo Pera)率いる研究チームが、不妊男性の皮膚細胞より「人工多能性幹細胞(iPCSs)」の開発に成功したと報告した。
「人工多能性幹細胞」は幹細胞派生の生殖細胞である。研究では、精子生産に問題がある不妊男性の皮膚細胞を精子形成組織に転換できたという。
ペラ氏は、生殖細胞は精細胞の前駆体に成り得ると示唆している。事実、不妊症である被験者男性に「人工多能性幹細胞」を移植したところ、精子生産の問題など不妊症状の改善が確認できた。
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生殖細胞と不妊治療
ペラ氏の研究チームは、初期の段階にて、不妊男性の細胞より作られた「人工多能性幹細胞」は遺伝子情報を引き継ぐため、精子生産機能も反映可能だという仮説を立てた。幹細胞をマウスに移植したところ、正常な生殖細胞を生成したという。
研究チームは、研究結果は遺伝子学的欠失による不妊を明らかにし、不妊治療における選択肢の幅を広げたと述べている。
ペラ氏は、不妊男性に対して臨床試験を行うことを前提に、皮膚細胞から男性生殖細胞への転換過程、不妊を引き起こす男性生殖細胞異常について更なる実験が必要であると強調している。
ペラ氏らの研究結果は、生殖細胞による新たな不妊治療方法を生み出す第一歩となり、不妊男性に対して治療の希望を与えたと評価される。一方、最近の科学技術を考慮すると、「人工多能性幹細胞」(生殖細胞)は万人の細胞から開発可能であるべきだと警鐘を鳴らす研究者もいる。

NATURE WORLD NEWS
http://www.natureworldnews.com/articles/THE INDEPENDENT
http://www.independent.co.uk/news/science/人工多能性幹細胞
http://ja.wikipedia.org/wiki