針治療と生薬(漢方薬)
生殖医学や内分泌学の専門家が2002年から2012年の間に発表された研究報告書87件をメタ分析したところ、針治療や生薬(漢方薬)は不妊、婦人科系疾患の治療にて有用性があるという分析結果が出た。
針治療や生薬(漢方薬)には、不妊、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮内膜症、月経困難症で悩む女性の体外受精による妊娠成功率を高める効果がある。従来の治療法より副作用も少なく、ホルモン療法や手術以上に有用性があるという。
従来の治療による体外受精(4回以上の受精卵移植)成功率は24%であった一方、針治療を加えると成功率は42.5%まで増加した。
研究者らは、針治療は安全、経済的な治療法であると述べている。また、針治療は陣痛・分娩の痛み緩和、分娩時間の短縮、子宮の収縮、産後のトラブルなどに対して効果的な治療法であると分かった。
(画像はイメージです 撮影者:mahalie)
漢方薬の不妊治療効果
上海中医薬大学の岳陽病院婦人科長であり、不妊治療の名医ティン・ティン・チャン医師(Dr. Ting Ting Zhang)は超音波検査・ホルモン検査に関する研究を実施し、生体医療データに関連付けて生薬(漢方薬)の鑑別診断結果を提示した。
研究より、生薬(漢方薬)が排卵や卵子の生育を促し、流産を防ぎ、人工授精による妊娠率を高める効果があることを証明した。また、精子量・運動率を上げ、自己免疫不全といった抗精子抗体を防ぐとも立証された。
チャン医師によると、不妊症に共通する症状は腎臓陰陽不足(Yin and Yang deficiency)、肝臓気停滞(Liver Qi Stagnation)、淤血であるという。例えば、卵胞刺激ホルモン(FSH)の増加は陰不足、黄体刺激ホルモン(LH)の増加は陽不足に関係している。
なお、生体医療における生薬(漢方薬)の治療効果に関しては、今後も継続的な研究が必要である。

Healthcmi
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/Hindawi
http://www.hindawi.com/journals/TCM
http://www.tcmpage.com/index.html