排卵誘発日の血清プロゲステロン値による影響
9月7日、アメリカの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、人工授精(子宮腔内精子注入法:IUI)において、排卵誘発日の血清プロゲステロン値は妊娠結果に影響を与えると示した。
人工授精では、排卵誘発日の血清プロゲステロン値が1.5ng/ml以上の場合、妊娠率、妊娠継続率が有意に低下するという。
排卵誘発日の血清プロゲステロン値と妊娠率における関係性
これまで、新鮮胚移植による体外受精サイクルでは、排卵誘発日に血清プロゲステロン値が上昇している場合、とりわけ1.5 ng/ml以上である場合、妊娠率は低下すると報告されている。
あわせて、排卵誘発にゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)を用いた人工授精(子宮腔内精子注入法:IUI)についても血清プロゲステロンと妊娠率の関連性は認められている。
そこで今回、研究チームは、2017年1月1日から2023年12月31日の期間、人工授精4866回を対象に後ろ向きコホート研究を行い、排卵誘発日の血清プロゲステロン値と妊娠率における関係性について検証した。
排卵誘発日の血清プロゲステロン値に基づき妊娠継続率を比較したところ、 血清プロゲステロンが1.5 ng/ml以上の場合、1 ng/ml未満の場合より妊娠率、臨床妊娠率、妊娠継続率は有意に低くなった。
一方、血清プロゲステロンが1ng/ml未満の場合と1 ng/ml以上1.5 ng/ml未満(1~1.49ng/m)の場合では、妊娠率、臨床妊娠率、妊娠継続率に相違は認められなかった。なお、排卵誘発日の血清プロゲステロン値と流産率において関連性は示されなかった。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

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